ゴム加工の種類と特徴を解説‐押さえるべきポイントを分かりやすく

ゴム加工は、さまざまな産業で使用されるゴム部品を製造するための重要な技術です。

ゴムの特性を最大限に活かした加工方法を選ぶことは、製品の品質向上に直結します。

この記事では、ゴム加工の主要な方法を解説し、それぞれの特徴や適性について詳しく説明します。また、ゴムの種類に合わせた加工方法を知ることで、より効率的に高品質な部品を製造できるようになります。

 

ゴム加工とは?

ゴム加工とは、ゴム素材をさまざまな形状に加工する技術であり、製造業において非常に重要な役割を担っています。

ゴムは弾力性、耐摩耗性、耐熱性などの特性を持っており、その特性を最大限に活かす加工方法を選択することが、製品の品質向上に不可欠です。ゴムの加工方法は多岐にわたりますが、最適な方法を選ぶためにはゴムの種類や用途を理解しておくことが重要です。

 

ゴムの主要な加工方法

ゴム加工には多くの方法があり、それぞれが特定の目的や用途に応じた特性を持っています。以下に代表的なゴム加工方法を紹介します。

2.1 切削加工

切削加工は、ゴムを機械的に削り取る方法で、高精度が求められる部品に多く使用されます。精密な寸法調整が可能で、特に複雑な形状を作る際に有効です。

プロッター加工

カッティングプロッターという機械を使い、ゴムシートを特定の形状に切断する方法です。この方法では、デジタルデータに基づいて非常に細かい形状を精密にカットすることができます。特に小ロットの製造に適しています。

ウォータージェット加工

ウォータージェット(水圧裁断機)を使い、高圧水流を利用してゴムを切断する方法です。金型を使用せず、非常に精密なカットが可能です。

熱を使わないため、熱に敏感なゴム材質の加工に適しています。先端ノズルを多軸制御することで、複雑な立体形状加工にも対応できます。

マシニング加工

マシニングセンターという機械を用いてゴムを削る方法です。特に複雑な形状や精密な部品を作る場合に効果的で、機械の精度が重要です。「工具自動交換機能」により様々な加工法を無人で切替えながら実施できるため、効率の良い加工ができます。

打ち抜き加工

打ち抜き加工は、クッキーの型抜きのような加工方法です。トムソン型、ピナクル型などの刃型を使い、ゴムシートを打ち抜きます。大量生産に適しており、特に単純な形状の部品を効率的に製造できます。

ロクロ・旋盤加工

加工するゴム素材をロクロに装着し、回転させながら刃物などで切削する方法です。精密な加工が可能で、特に円筒形や円盤形の部品に多く使用されます。

フライス加工

切削工具の一つである(フライス)を高速回転させて、ゴムを削る方法です。目的の形状に応じたフライスを利用することで、様々な形状の加工に対応できます。

ボール盤加工

ボール盤加工は、特に小さな部品や穴あけを行う際に使用される方法です。ゴム部品の中心に正確に穴を開けることができます。

裁断加工

ギロチンのような大型の刃をセットした裁断機で、特定の形状にゴムをカットする方法です。大型部品を効率的に切断できます。ロットが多く、シンプルな形状の部品に向いています。

スライス加工

スライサー(水平裁断機)で、ゴムを薄くスライスする方法です。既製品にはない厚みのゴムシートが必要な場合に適用されます。

研磨加工

細かい目を持つ砥石などの研磨工具を使用し、ゴムの表面を滑らかにし、寸法精度を高めるための方法です。製品の外観や機能性を向上させるために使用されます。

 

2.2 金型成形

金型に未加硫ゴムを仕込み、高温高圧でプレスして成形する方法です。この方法は、高精度で複雑な形状を一度に成形できるため、量産に向いています。特に、自動車部品や精密機器のシーリング部品に適しています。

 

2.3 注型成形

試作品や少量生産に特化した製造方法です。シリコーンゴムやプラスチックで「マスターモデル」を作製し、そのモデルを用いてシリコーンゴム製の型を製作します。次に、その型に樹脂を注入し、硬化させて製品を成形します。

 

2.4 押出成形

押出機にゴム原料を入れ、高い圧力を加えて口金から押し出し、そのまま冷却して成形する方法です。連続した断面や、長尺のゴム製品を作るのに有効です。

 

2.5 ジャバラ加工

ジャバラ加工は、ゴムを伸縮性のある形状に加工する方法で、主に機械部品や自動車部品に使用されます。ジャバラの特性は、柔軟性と伸縮性を兼ね備えており、部品の動きに合わせて伸縮することで振動や異常な圧力を吸収することができます。これにより、機械の寿命を延ばし、安定した性能を維持することができます。

 

2.6 接着加工

接着加工は、異なるゴム部品を接着剤で結合する方法です。異なる特性を持つゴムを組み合わせることで、製品の特性を調整したり、耐久性を高めることができます。特に異素材同士の接合が必要な部品に使用されます。

 

2.7 ライニング加工

加硫接着、もしくは焼き付けにより、ゴムを他の素材の表面に取り付ける方法です。ゴムの耐薬品性や耐摩耗性を活かし、金属やプラスチック部品を保護します。特に化学プラントや配管の内部で使用され、過酷な環境にも耐えることが求められます。

 

ゴム加工に用いられる主要なゴム材質

ゴム加工に用いられる主要なゴム材質の種類と、その素材特性、用途を紹介します。

3.1 天然ゴム(NR)

天然ゴムは、弾力性が高く、柔軟性に優れています。切削加工や注型成形が一般的で、特に柔軟性が求められる部品に使用されます。

3.2 ニトリルゴム(NBR)

ニトリルゴムは、油に強いゴムで、特に自動車部品や機械部品に使用されます。注型や金型成形が適しており、耐油性が求められる部品に適用されます。

3.3 クロロプレンゴム(CR)

クロロプレンゴムは、耐候性に優れ、屋外での使用が多い部品に使われます。ロクロや接着加工が効果的です。

3.4 シリコーンゴム(Q)

シリコーンゴムは高温環境下での使用に優れ、特に医療機器や食品業界で広く利用されています。注型成形やジャバラ加工が適しています。

3.5 フッ素ゴム(FKM)

フッ素ゴムは、化学薬品に強い特性を持ち、化学プラントや航空宇宙産業で使用されます。金型成形やライニング加工が一般的です。

3.6 エチレンプロピレンゴム(EPDM)

エチレンプロピレンゴムは、耐候性に優れ、屋外環境で使用される部品に向いています。フライス加工や打ち抜き加工が有効です。

3.7 ウレタンゴム(U)

ウレタンゴムは、耐摩耗性が高いため、機械部品や輸送機器の部品に使用されます。精密な切削加工や研磨加工が求められます。

3.8 ブチルゴム(IIR)

ブチルゴムは、優れた気密性を持ち、特に防音やシーリングに使用されます。注型や金型成形が適しています。

3.9 クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)

クロロスルフォン化ポリエチレンゴムは、耐薬品性が非常に高く、化学薬品を扱う環境で利用されます。金型成形やライニング加工が主に使用されます。

 

結論

ゴム加工にはさまざまな方法があり、製品に求められる特性や用途によって最適な加工方法を選ぶことが重要です。この記事で紹介した主要な加工方法を参考に、貴社の製造ラインに最適な方法を選び、高品質な製品を生み出す手助けとなれば幸いです。加工実績や設備の紹介はこちら

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